木霊が宿る木(撮影場所:古河公方(総合)公園)

古河総合公園を尋ねる度に気になる木がある。それは公園の片隅にあるのだが異彩を放っている。根元から二股に分かれた太い幹。方々に伸びた枝は自らの蔓でがんじがらめにされている。自分を抑えつつ更に伸びようとする強い意志。木の霊が宿るとしたらこんな木に違いない。

 

 

ハニカム構造をした遊具(撮影場所:古河リンクス)

その月のテーマである赤と黄の被写体を探して、市内を放浪していたら赤と黄に塗られたばかりの遊具を見つけた。変わった形をしたジャングルジムである。丸棒を正六角形の各辺に配置し、各辺には隣の正六角形がつながっている。ここにもハニカム構造(蜂の巣構造)。生物から学んだ構造だ。

 

 

 

煙の力で茅葺屋根を守る(撮影場所:鷹見泉石邸)

茅葺屋根は茅の中に虫が巣くって茅を傷めるだけではなく、その虫を狙って烏が上からつついて、茅を散らかし、それが雨漏りの原因となる。どうして、こんなにもろい屋根がふるくから日本の民家の屋根として用いられ、長く持ちこたえられたかというと囲炉裏や竈で焚く薪の煙が自然に茅葺の屋根を燻蒸して、虫や黴を駆除していたからである。また、灰をならす、灰を美しく整え模様を描く、という日本独自の素晴らしい文化もここでは引き継がれている。

 

 

 

花火大会(撮影場所:渡良瀬川土手)

わが、古河における夏の楽しみは渡良瀬川の湖畔で開催される花火大会だ。主催者の情報によれば、メロディー付きスターマインやワイドスターマインなど2万発以上の花火が打ち上げられ夜空を彩る。この写真は花火大会開始の前に土手に集まった人たちをシルエット風に撮影したものである。すでに観覧席を確保して開始を今か今かと待つひと、カメラをセットしてここ一枚を撮ろうとするひと、未だ見学場所が定まらずうろうろするひと。夕日が落ちる中、本番前のざわめきを紅く染まった空が見下ろす。

 

 

 

 

 

万葉歌碑(1)(撮影場所:JR古河駅西口広場)

万葉集第14巻には東歌が収められているが、その中の2首3555番と3558番は古河を詠み、何れもこがの前に“まくらが”というまくらことばを用いている。写真はJR古河駅西口広場に建立されている3558番の句碑である。 「逢わずして行かば惜しけむ まくらがの こが漕ぐ船に 君も逢わむかも」(訳:逢わないで行ったら、名残り惜しかろう。だから、このまくらがのこがを漕ぐ船で、あの人が逢ってくれればよいが。)折口信夫他、「万葉集総覧第七」より。

 

 

 

 

万葉歌碑(2)(撮影場所:雀神社裏の堤防上)

万葉集第14巻には東歌が収められているが、その中の2首3555番と3558番は古河を詠み、何れもこがの前に“まくらが”というまくらことばを用いている。写真は雀神社の境内を経て渡良瀬川の堤防への石段を登ったところに建立されている3555番の句碑である。「まくらがの、こがの渡りの韓梶(からかじ)の 音高しもよ。寝なへ子ゆゑに」(訳:まくらがの、そのこがの渡り場の韓梶仕立ての船の音ではないが、評判高くたったことよ。抱き寝をしない娘だのに、その娘の為に。)折口信夫他、「万葉集総覧第七」より。この訳自体が既に古典になっていてむずかしい。看板に掲載されている訳は次のとおりである。「まくらがのこがの渡りのからかじの音が高いように、高い噂がたったなあ あの娘と共寝をしたわけではないのに。」

 

 

 

 

流木と増水した川(撮影場所:渡良瀬川土手)

昨年の台風19号は全国で未曾有の被害をもたらした。古河市は幸運にも無事であったが、まくらが歌謡楽団も演奏を披露した古河市文化協会の新年会における市長の挨拶によれば、河川管理の担当者から利根川が越水するおそれありとの連落があったという。写真はその数日後の渡良瀬川・ゴルフリンクスである。大きな流木が堤防の土手に流れついて、遠方を眺めればまだ水は引いてない。今後このような異常が通常になってしまうのを恐れる。

 

 

 

 

 

資材置き場(撮影場所:古河庁舎近くの歩道橋)

これは、古河庁舎の脇から総合公園に至る途中の歩道橋の上からの撮影です。手前のピントが合っている水平のラインは橋の欄干です。補修が遅れて腐食がすすんでいます。ぼやけているのは資材置き場に無造作に置かれた廃棄物などを仮貯蔵する鉄製の容器です。それぞれ原色に近い色が塗られているのが目を引きます。

 

 

 

 

トラス構造(三国橋)

 機能が優れているものは美しい。トラスに組み立てられた鉄骨もそうです。このような造形は回転させたり、ひっくり返したりすると別の美しさを発見することがあります。